第39回東京黒百合会展を越えよう
39回の次は40回だと言うことを今回の黒百合会展は、出品者全員が絵で語っているような39回展であった。黒百合会は実に不思議な団体だと私は最近感じている。何がというと、大変失礼な話なのだが、歳をとるほど絵が生き生きと力強く輝いて来るし、冒険的な表現にチャレンジすることだ。閑があるからとか、仲間が多いとか、そんなことでなく、自分の枠から少しでも前に進もうと努力しているように見える。
若手はその点でやや不満が残る。
39回の展覧会のパーフェクト出展者は遠藤さんだけになったが、30回以上の出品者は5人、20回以上が10人になった。この人達を熟練の人と片付けられない何かがある。
しかし40回展の成功はこのメンバーに依存することではない。20回以下の出展者、そして自他共に若手と自認するメンバーがこの一年、どう自分を鍛え参加するかだ。
私もそうだったが、仕事、仕事で絵どころではない。そんな毎日がアッと言う間に一年を瞬時に消化させてしまう。いつの時代もそうだが言い訳をすることなく、ベストを尽くし、結果を出すことが大切だ。参加することではなく、結果で勝負することだ。
従来ののびのびとした「お楽しみ村」の思想を捨てるのではない。何ごとにおいても、特にビジネスにおける楽しみは人には語れない努力がもたらすもので、人並みで楽しみは得られないし、人が楽しみを与えてくれるものでもない。
“のびのびと楽しく”はそんな陰の努力が大きな環となって素晴らしい会の風土となっている。
さて、少々過激なことを書いたが、本当に一年は短い。会の行事も合評会、クロッキー会、一泊写生会と参加の機会が多いが、「60歳以下の若手の参加が少ない」と60歳以上の会員からの声があることを肝に銘じておこう。
絵は描くことで語ることではないが、自分の絵を人に見てもらい、批評を受けることも人の絵を批評することも勉強になる。色々な意見を自分なりに消化するのは各人の度量による。各々が“40”を目指して、最良の冒険と実験の形として“結果”が開花することを願っている。
幹事;杉山 直
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